ALL

ボーカルのMiloが博士号をとるためにDescendentsを去り、
残されたメンバーが新しいボーカルDaveを迎えて始めたのがALLです。

ALLは僕が最も大好きなバンドの1つです。
ポップさとパンク的な激しさをここまで高次元に融合させたバンドが他にいるでしょうか?
各メンバーのソングライティング能力はすばらしく、競い合うように名曲が生まれ、
Dave、Scott、Chadの歴代3人になるボーカルがそれを歌いあげます(それぞれまた違うよさがあって良いんだ!)
今なお多くのフォロワーを呼び、いつまでも枯渇しないオリジナリティーは感服するのみでしょう!

Allroy Sez

Allroy Sez

Descendents解散後、元DYS、Dag NstyのDaveをボーカルに迎えSST傘下のCruzから88年リリースの1st
Descendents直系サウンドですがEnjoy、ALLと続いてきた不思議ソングは影を潜め、
全曲ポップパンクのアルバムになっています。

Dag Nastyやこの後Daveが組むDown By Lawに比べるとボーカルはさらっとしており、
Daveの熱血ボーカルを期待するとアレ?と感じるかと思います。
僕自身Dave時代のALLを聴く前にDBLを既に聴いていたので最初は大分戸惑いました。
とはいえPretty Little Girl、Just Perfectなど1stから文句なしの名曲揃い。

Allroy's Revenge

Allroy's Revenge

DaveからボーカルをScottにかえて1989年リリースされた2nd
She's My Exという名曲も手伝ってかALLのデスコグラフィー中でも最高傑作と名高い作品です。
とにかくまずは、Scottの渋いボーカルが最高。Miloとはまた違う彼のボーカルが僕は大好きです。
そして前述のShe's My Exを筆頭にMary、No Trafic(Scott作)など名曲を多数収録しています。
あまりにもポップすぎるALL流パンク真骨頂、Cruzサウンドを体現する名盤ですね。
またCDはカセット・ヴァイナルに比べ2曲多い。

She's My Ex

She's My Ex

Allroy's Revengeからのシングル
Revenge持ってればいらないだろうと思うかもしれませんが、ALL伝統のA面泣かせのB面曲、
メロメロかつ超バカポップソング、弾むような疾走感が堪らない名曲"Crazy"が収録されています。
しかしこちらはベスト盤に(1曲目!)リマスターされ収録されているので、見つからなくても安心かな。
ベストにはShe's My Exも収録されていますしね、むむぅ

Trailblazer Live [Live]

Trailblazer Live

1989年Cruzよりリリースのライブ盤
当時のベスト的セットリストが楽しめる、棺桶まで持っていきたい名盤
こちらのボーカルはScottですので、Box、She's My Exなどの名曲は当たり前に収録されていますが、
Dave時代の名曲もScottのボーカルで(Just Perfect、Sex in The Way、Postage等)しっかり聴かせてくれます。

スタジオのものより、全体的に大分テンポアップしたパンクバンドとしてのALLもカッコいい!

TonyALL New Girl, Old Story

Tony ALL

91年Cruzからリリースのフルレングス
これは収録されている曲全てがDescendentsオリジナルベーシストのTony Lombardo作という嘘のような作品、
正直言うと、これをALLに分類する事に抵抗を感じるのですが、一応一緒に紹介しておきます。
演奏はALLの面々ですが、サウンドはまさにDescendentsの1st〜2ndでのTonyの仕事そのままで、
なんともいえないチープさが正直言ってALLっぽくない、まさにTonyのMy Worldである。

しかし、なかなかコレが爽やかなメロディや、やったら目立ちたがり屋なベース音が楽しく、
期待しすぎると流石に痛い目を見るが、中期Descendentsを懐かしんで聴く分にはそれ程悪くもないかと。
ちなみにボーカルはScottとTonyで大体アルバム半分ずつ担当し、なぜかKarlも1曲だけ参加している。

Percolator

Percolator

Cruzから92年リリースの4th
こちらはScott作曲の名曲Dotが有名かと思いますが、WonderなんかもScottらしい音作りで信者的には印象深い。
あとは、Mo.63って曲もScottが書いた曲ですね、なかなかの偏屈ポップソングでして、実に彼らしい曲ですねぇ。
と、Scottの事を書きましたが、勿論他のメンバーも良い曲を書いてます、特にKarl。

構成としてはアルバム前半の爽やかなメロディーが心地よいポップパンク曲群はホント、白眉の出来なんですが、
後半は失速気味かな。Scottに思い入れのある人なら3割増しで好きになれる佳作、名曲Minute収録。

Dot

Dot

Percolaterからのシングル
Dotもまた名曲なのですがここでも伝統のA面泣かせ、Can't Sayが収録されています。
Crazyと違ってベスト盤にも、他の音源にも収録されていない名曲です。

ちなみにLive Plus Oneでも一応Can't Sayは聴けます。

Breaking Things

Breaking Things

ボーカルをScottからDrag The RiverのChadにして93年リリースの5th

ボーカルが代わったせいかメロディックパンク色が強くなり、若干Scott時代とは毛色が異なるアルバム。
個人的にはScottのボーカルが好きだったので彼の脱退は残念ではありますが、
Original Me、Right、'Cause、Guiltyなど名曲も多く全編通して聴き応えがあり、
新生ALLが健在である事を示すだけならば十分すぎる程でしょう、傑作。

Pummel

Pummel

Cruzを離れ95年メジャー(Interscope)からリリースの6th
メジャーに移ってもポップでオリジナリティー溢れるALL節は健在だ。
CruzポップなMillion Bucksや、切ない哀愁ギターが印象的なLong Distance、Breakin' upなど、
Bill作曲が大活躍、Chadの曲も前作より割合が増えて、ALLのメンバー全員ソングライター体制も完全復活。
ただし現在廃盤の為、他のアルバムと比較すると若干手に入りづらいようです、残念。

ALL/Judge Nothing [Split]

ALL/Judge Nothing

97年シカゴのThick RecordsからリリースのSplit 7Inch
お相手はシカゴのインディーロックバンドJudge Nothing。

ALLはKenny RogersのカバーでRubyを収録、捻くれたメロディーアレンジが相変わらずですな。
個人的には、なんだか酔っ払ったような出だしのChadボーカルが印象的。

Mass Nader

Mass Nader

メジャー移籍1作を経てから1998年Epitaphにてリリースされた7th
ALLはEpitaph辺りからイマイチと言われていますが僕はこのアルバムも大好きです。

これまでよりもぐっと曲がメロディックになり、全体的にスピーディ曲の多いアルバム。
ポップでドライビングなギターが素晴らしい名曲Silly Meを筆頭として、Chadの程よくしゃがれた
パワフルなボーカルを引き立てています。しかし、このスタイルだったらChadのボーカルって敵なしですよね。

Problematic

Problematic

2001年リリースのEpitaph移籍2作目のアルバム。
ジャケットでは、お馴染みAllroyと音符のクリーチャーも遂に宇宙へ進出しておりますな。
個人的にはこの路線だと、どちらかと言えばMass Naderの方が全体としてしっくり来るのですが、
ラストのMake BelieveからDrive Awayへの流れが素晴らしい。印象的なドライビングギター、
独特のグルーヴ感が心地よいベースライン、哀愁漂うメロディ…ハードドライビングメロディックパンク!

Live Plus One [Live]

Live Plus One

Epitaphより2001年リリースの通算2枚目のライブ音源ですね。
これはかなりお得です、Live Plus OneのPlus OneとはDescendentsのライブアルバムの事で、
ALLを前面に出していますが、なんと2枚組になっており(ALL22曲、Descendents21曲!)
比較的最近のALL、Descendentsのライブを聴く事が出来るわけです。

ALL側はChadのボーカルでShe's My ExやCan't Sayを聴けるのがなんと言っても嬉しいですね。
他にもテンポが速くなった為、パンク度の上がったBreakin' Up'、Causeなども貴重かと思います。
最初にライブ盤ってのもどうかと思いますが、スタジオに近いテイストなのでALL/Descendents入門にもオススメ。

Disarming Violence [V.A]

Disarming Violence

Fast Musicから2002年リリースのV.A CD
ALLはCollege Townを収録、この曲オリジナルかカバーか分からないんですけど未発表曲のようですね。
ミドルテンポの暗めの進行にChadの込み上げるようにして歌うボーカルが印象的です。

他のバンドも未発表曲が結構あるみたいなんですけど、まぁ他にここで特筆するような曲はないかな。

Notes:

現在は不定期活動、2001年以降アルバムリリースなし。
関連バンド:Descendents/Drag The River/Scott Reynolds関連(Goodbye Harry/Pavers)/Chemical People/Big Drill Car/etc...

Sound of the Day