Chemical People

LAのメロディックパンクバンド、結成は1985年かな、デビュー作を1986年にリリースしている。
ALLは例外とするとして、彼らとBig Drill CarはCruzを代表する2大バンドではないでしょうか。
ポップなんだけど、どこか捻くれた独特のサウンドはBlack Flag〜Descendents〜ALLの流れを汲み、
大雑把にはCruzライク〜なんて呼ばれながら、現在も意外とフォロワーバンドは少なくないです。

BDCとは違うどこか影のあるダークなメロディ、ドライビングなギタープレイはユニークで素晴らしい。
1997年のツアーを最後に解散、中心人物のDave Nazは現在ポルノ映画を撮ったり、ポルノ写真家として精力的に活動中。

Ten-Fold Hate

Ten-Fold Hate

Cruzから1989年リリースの2nd
プロデューサーにBill Stevenson、エンジニアにStephen Egertonのお馴染みALLの面々が関わっています。
Dave Nazの気だる〜いボーカルに、Cruzらしいグルグル目の回りそうなドライビングギターと、
手数の多いドラムによるメロデック&ファストな展開、更には冗長寸前のギターソロなんかもあって、
とにかく曲単位での密度が非常に高い。曲間も短く、箸休めにインストなんかも挟みつつサクサク進む、
怒涛の展開でアルバム1枚をダレることなく華麗に〆ています。曲毎のクオリティもさることながら、
ALL陣のプロデュースにも起因するだろうアルバム構成が実に見事、名盤ってのはこうあるもんでしょう。

シングルでもお馴染み超名曲All The Best Things収録、ちなみにジャケットはTaija Rae嬢。

Overdosed On... [Compilation]

Overdosed On...

1989年Vinyl Solutionからリリースのコンピレーションアルバム
88年のFan Club Single、89年のX-Feminist、89年のAre You Butt Phace?
以上3枚の2 Pecker(C.People自身のレーベル、通称チンポレーベル)から出たシングルと、
89年CBGBでのライブの模様、更には未発表曲を加えた全24曲収録。

ライブテイクもベスト的セットリスト、かつスタジオのものとそれ程音が違うわけでもないので、
そのままの感覚で聴けるし、非常にコストパフォーマンスの良いアルバムだと思いますよ、オススメ。
ちなみにジャケットはHard-Onsの鬼才Ray Ahn先生ですね、相変わらず交友関係広すぎ!

Every Band Has A Shonen Knife Who Loves Them[V.A]

Every Band Has A Shonen Knife Who Loves Them

Gasatanka/Giant Recordsから89年リリースのV.A
Gasatanka/Giant Records(Rockville)は少年ナイフのUS盤をリリースしてたレーベルで、
これは題名のそのままずばり、少年ナイフトリビュートV.Aですね。

Chemical PeopleはDevil Houseカバーを初回プレス分とCDに収録している模様。
このV.Aはリリースがかなり変則的で、初回がダブル12InchLP、以降はLP1枚orCD。
収録曲数も2LPが一番多い32、1LPが一番少なく14、CDが中途半端に23とバラバラ。
ちなみに当サイト的には他にMr. T ExperienceのFlying Jelly Attackが興味深いかな。

The Singles [Compilation]

The Singles

1990年自身のレーベル2 PeckerからリリースのコンピレーションCD。
多分ちょっとレアなブツだとは思うのですが、内容はOverdosed On...そのままです。
Overdose On...もCDが出ているのに、なぜこんな紛らわしい物をリリースされていたのかは謎です。
ツアー限定とかいって会場で売ってたのかなぁ、詳細不明。

The Right Thing

The Right Thing

Cruzから90年リリースの3rdフルレングス
こちらもALLの面々がプロデュース、エンジニアとして参加している。
曲のテンポはこれまでより全体的にかなり落ちていますが、Cruz特有の独特なベースラインや、
Stop&Go、突然の転調、ダークなメロディなどクセの強いサウンドは今作も相変わらず。

シングルにも収録されていた佳曲Overdosedや、ハチャメチャな展開のAqua IIなどを収録、
全体的に勢いが落ちているが、その分厚めの音になっている、特にSome Other Timeはその傾向が強いかな。
ちなみに3曲目のA PornographyではSNFUのChipigがなぜか詞を書いています、内容はまぁそのまんまですね。
3人の悪人面な似顔絵が並ぶジャケのイラストはアメリカのオルタナティブコミックアーティストとして著名なBetoこと、
Gilbert Hernandezが担当しています。またLPはボーナストラックとしてCruzサウンドバリバリなインストが1曲追加されている。

Soundtracks

Soundtracks

Cruzから91年リリースの4th
当時怒涛の勢いでリリースを続けていたChemical Peopleのある意味最大の問題作。
内容は全曲インスト、まぁそれなりにカッコいいですし、元々インストの曲も多い彼ららしい
と言えばらしいんでしょうけど、まるまるインストのアルバム出されてもなぁと言う感は拭えず。

ちなみにプロデュース、エンジニアはお馴染みALLの面々ではなく、
90年代USパンク勢の著名プロデューサーDonnell Cameronが担当なのですが…

Chemical People [Self Titled]

Chemical People

92年Cruzからリリースの5th
GtのJaime Pinaが脱退し、Ed Urlik、Dave Nazのオリジナルメンバー2人で製作されたアルバム。
なので、本作ではDaveがギター、ドラムに加えテナーサックスまでプレイしているようだ。
サウンド自体も大幅にスピードを落とし、落ち着きあるものに変化し、Daveの気だるさに合ってはいるが、
どうもこれまでの作品と比較するとイマイチかなぁ。

Two Years、I Don't Mindなんかは哀愁溢れるメロディックパンクと言った感じでカッコいいし、
サックスを取り入れた曲なんかも凝っててなかなか面白いんだけど、個人的に聴きたかったのは、
ALLライクなグルグルギターなんであって、Donnell Cameronプロデュースはやっぱりイマイチだわ。
で、この頃に彼らは結構長い事、活動停止状態となってしまったようだ。

Notes:

Sound of the Day