90年代初期から後期にかけて活躍したイギリスのメロディックパンクバンド
彼らは99年頃にThe Drumに改名するのですが、それまでの"China Drum"に一貫して言えるのは、
激情的でいてしっかりと歌詞を伝えるAdamのボーカル、エモーショナルな轟音ギターの、
メロディックかつドラマティックな曲展開、その素晴らしさに尽きるかと思います。
途中抜けたメンバーの行方はギター/ベースのMcqueen兄弟はその後Servoへ、
ドラムのJanはDriven To Collisionといった感じでしょうか。
96年Mantraからリリースの1st
Adamの激情的なボーカルを煽り立てる、どこか哀愁を漂わせるダイナミックなメロディー、
サビで大爆発するドラマティックな曲の進行なんか現在ならEmoなんかに近い音ではないでしょうか。
とにかく、メンバーの演奏、そして当時ドラムも務めていたAdamのボーカルと全てが高レベルで、
まさにChina Drumの本質を詰め込んだドラマティック/メロディックなCan't Stop These Thingsを筆頭に、
捨て曲なしの名盤、また徳間ジャパンからはボーナスを多数収録した日本盤もリリースされています。
96年Mantraからリリースされた7inch及びCD
おとなしいイントロからエモーショナルなギターとAdamの叫びへと進行する表題曲と、
相変わらずHusker Du的なノイズギターながらも、非常にポップなBaseball in the Darkの名曲2曲を収録。
更にCDはBiscuit Barrelの別テイク、Sleazeballのエレクトロなリミックスという変り種を収録。
そして最後に徳間からのCDには、更にまた6曲追加して全10曲という元が7inchとは思えない仕様だったようです。
97年Mantraからリリースの7Inchシングル及びCD
A面の表題曲は2ndからの先行シングルですね、ポップな曲調と相変わらずのAdamのボーカル。
しかし本作は何と言ってもA面泣かせなB面の名曲Pullでしょう、エフォクトをかけて意図的に歪ませた
ボーカルとなんとも悩ましい轟音メロディックギターによる狂おしい世界観が実に印象的です。
China Drumの魅力はAdamの扇情的でありながらも実にはっきりとしたボーカルにあるのでしょうが、
本作のPullにおいては、それを意図的に破壊して、再構成した新たなChina Drumサウンドとなっている。
CDには他にも2曲追加されてる様なのですが、僕のは7Inchなので未確認。
97年Mantraからリリースの7Inchシングル及びCD
A面の表題曲はこちらも2ndから、アルバムの中でも屈指の名曲ですな。
で、こちらもB面はやっぱりA面泣かせな名曲Loserを収録、Husker Duばりのノイジーなギター、
繰り返される絶叫と、まぁちょっとオーバー過ぎてアルバムから外したのも正解っぽく感じるのですが、
後期のChina Drumらしい轟音メロディックサウンドはやはり流石と言った所でしょうか。
98年UKはMantra、USはBeggars Banquetよりリリースの2nd、China Drumとしてはラストアルバムかな。
パンクっぽさが抜けたというか、1stよりちょっと大人しくなったかな、しかし曲のクオリティは相変わらず素晴らしいの一言。
曲は前作より全体的に1曲の尺が長くなりましたが(4分はザラ)、どの曲もドラマティックな構成でもう鳥肌モノ。
特にGuilty Deafnessなんかは、二転三転する展開がもう凄まじいというか、曲自体のスケールが違います。
Adam & Mcqueen兄弟の黄金トリオが送るメロディックパンクの名盤。
シングル向けのポップ曲もありますが、アルバムを支配するエモーショナルなギターと力強いボーカルが実にカッコいい。