Down By Law

古くはDYS、以降もDag Nasty、ALLなどに在籍したDave Smalleyを擁するパンクバンド
初期の音はまさにDave自身が所属したDag Nastyのそれであり、
ジャリジャリなギターにDaveのハイトーンな熱血ボーカルといった具合でしたが、
それ以降は段々と、他の多くの90年代メロディックパンクバンドのテイストに近づいていきます
が、そこは熱血漢Dave Smalley、凡百のバンドとは一味違った切なくも熱く漲るパンクロックを聴かせてくれます。

結成は1990年で初期はChemical PeopleのDave Naz、Ed Urlikが在籍していたようですが
3rd辺りで大きくメンバーチェンジしている、現在はSamがPseudo Heroesで活動中の為実質の活動停止中。

Down By Law [SelfTitled]

Down By Law

Epitaphから91年リリースの1st
この頃は音がモロにDag Nastyといった感じ、しかしそれが本人による物となれば話は別です、
更にはALLの頃には足りなかったDaveの熱いボーカルが堪らないじゃないですか!
The OutletsのBest Friendsのカバーなどもアルバムに華を添える佳作。
ただし音質が他の音源に比べるとかなり悪い、うーん残念だ。

Blue

Blue

つづいて92年Epitaphからリリースされた2nd
こちらはラインナップも1stと同じく、内容も1st延長のDagサウンドとなっています。
ガラリと作風を変える3rdと1stの間だったり、若干インパクトが弱い内容ですが、
ChemicalのDave "Naz"がボーカルをとるTurn Away、EdがボーカルをとるFinally Hereなど
Smalleyとは違った味の曲がなかなか沁みるじゃないですか、というかそれが今作のウリかな
たまに日本盤が投売り価格で売ってたりするので、手にとってみては如何でしょう?

PunkRock Academy FightSong

PunkRock Academy FightSong

94年Epitaphからリリースの3rdフルレングス
今作からギターにSam Williamsが参加し、音もぐっとメロディアスになりましたね。

Dave以外にもドラムのHunter Oswaldが数曲ボーカルをとってみたり、
アルバム構成はDBLのディコグラフィーの中でもかなりのユニークな物。
また忘れていけないのがイギリスのダサポップデュオThe Proclaimersのカバーで、
I'm Gonna Be 500 Milesを熱血Dave風に好カバーしています、これがなかなか味わい深い。
ベストに入ってる曲も多く、4thと並ぶDBLの傑作と言っていいでしょう。

500 Miles

500 Miles

94年Out of Step Recordsからリリースの7Inch EP
A面はPunkRock Academy FightSongからのカットとなる500Miles、B面は1st収録のDown The Drainのライブテイクと、
2nd収録のAt Home In The WasteLandのライブテイクを収録、The Proclaimersがイギリス出身だからなのか、
Epitaph EuropaとUKのOut of Stepの共同という形でのリリースらしい。ちょっと嬉しいオレンジのヴァイナル。

All Scratched Up!

All Scratched Up!

96年Epitaphからリリースの4th
Samのメロディアスなギターワークと、Daveのパワフルで確かなボーカルはここで一つの完成形となる。
なんといっても、これでしょう!3rdを延長線上に発展させたメロディックパンクの快作です。
特に今作はSam Williamsによる曲が抜群に良く、一曲目Independence Day、3曲目All Americanなど、
以降のDBLを代表する名曲が多く収録されています。

ちなみにCDに比べ、12inchLPは6曲多く(その為LP2枚組の仕様となってます)
中にはFace to Faceとのスプリットに収録された隠れ名曲、DagPunkなども入っているのでオススメです。

Last of The Sharpshooters

Last of The Sharpshooters

97年Epitaphからリリースの5rh
このアルバムでは、突然メロディックパンクからモッズに傾倒したようなサウンドに転換します。
ALL Americanばりのギラギラメロディックパンクを期待した僕は、このアルバムはあまり聴いた覚えが…
うーん、3rd〜4thの音を期待していたファンは思いっきり期待ハズレですな、そしてこれがEpitaph最後のアルバム。
ちなみに、ベストもここまでのアルバムから選曲されています。

Question Marks And Periods

Question Marks And Periods

97年Epitaphからリリースの7Inchシングル及びCD
A面の表題曲は5thからのカットで、アルバムではほぼ唯一聴ける曲。
B面はDave作曲で未発表曲The Superheroesを収録、こちらも速くは無いですが、
まずまずの内容で、正直言うとアルバムよりよっぽど聴けると思う、ちょっとうれしいブルーヴァイナル。

No Equalizer

No Equalizer

UKのSuspect Device Recordsより97年リリースの7Inch EP
Question Marks And PeriodsのシングルはEpitaphからですが、こちらはUKのレーベルから。
A面はLast of the Sharpshootersからのカット、B面はSam作曲によるSuperFuckedとConcrete Timesの2曲。
ちなみにA面45RPM、B面33RPMのほんのり変態仕様、Concrete TimesはSamらしい佳曲。

Fly The Flag

Fly The Flag

99年Go-Kartからリリースの6th
最初の3曲は3rd 4thを思わせるメロディックナンバーなんですが、以降はまたモッズ路線。
5thより音が厚くなっていて聴きやすく、相変わらずSamの曲(2曲)もメロディックでカッコいいのですが、
やっぱり期待していた程全体としては良くなかったかな。

そして遂に愛想尽かしたのかSamがこの辺でPseudo Heroesを結成。

Down By Law/Pseudo Heroes [Split]

Down By Law/Pseudo Heroes

Theologian Recordsより2000年リリースのスプリットCD、お相手はDBLメンバーのSam Williams率いるPseudo Heroes
P.Heroesはこれがデビュー作かな、オリジナルを5曲収録、対してDBLはカバー曲を5曲収録、なんじゃそりゃぁ。
おそらくSamのバンドという事で、この組み合わせなんだと思うんですが、DBLは全曲カバー、
更にはスタジオ録りは1曲目のKids Are Alrightのみで、残り4曲はヨーロッパツアーでのライブテイク。

ライブテイクとはいえ音質は良いし、なかなか面白い内容なのですが、やっぱりPseudo Heroesが
若干不憫な気がします、DBLは果たして意図的にこうしたのか、オリジナルを用意できなかったのかは謎です。

PunkRockDays Best of Down By Law [Compilation]

PunkRockDays Best of Down By Law

1stから10年、古巣Epitaphから2002年リリースのベストアルバム
内容はこれまでのアルバムからリマスターして18曲ピックアップし、更にボーナストラックを加えた物
特筆すべきは何と言っても初期音源をリマスターした高音質の物で聴ける事でしょうか。

DBL入門用に奨める結成10年の軌跡
ちなみにボーナストラックは2001年に自殺したイギリスのStuart Adamson率いるBig Countryから
In a Big Countryです、この辺のセンスは実にDBLらしいですね。

Out Of Focus Vol.1[V.A]

Out Of Focus Vol.1

Thick Recordsから2004年にリリースされた映像コンピレーションDVD
92〜93年頃のシカゴで行われた様々なギグを、インタビュー等を交えて撮り収めた
幻のビデオシリーズ"Out of Focus Video Zine"を再編集、リマスターして再発されたDVD。

Down By LawはThe OutletsのカバーでBest Friendsをプレイする模様を収録しています、
ちなみにメンバーにChemical Peopleの面々はこの時点でもういないみたいですね。

Notes:

Sound of the Day