Jawbreaker

USはサンフランシスコとブルックリンの伝説的3ピースパンクバンド。
初期はラフなメロディック/ポップパンク、後期はエモーショナルなパンクロックと、
サウンドは推移していくのですが、どの時期にも多くのバンドへ影響を与え、現在もフォロワーは多い。
活動時期は1988〜1996年、解散後はBlakeが言わずと知れたインディーロックバンドJets To Brazilを結成。

哀愁漂うメロディアスなギターサウンドに乗せたメランコリックな詞を、
落ち着きのあるしゃがれた声で歌うは左利きのギタリストのBlake Schwarzenbach。
Jawbreakerもまた僕の大好きなバンドの一つです、哀愁〜渋メロディックパンクの基本ですね!

The Whack and Blite

The Whack and Blite

メンバーAdamのレーベルBlackBall Recordsから89年リリースのデビュー作7InchEP
Lawn、Crane、Eye-5の3曲を収録、どれも初期の彼ららしいラフなサウンドが印象深い。
オリジナルのプレスは500枚、後にVery Small Recordsから結構な量がリプレスされた。
また、UnfunのCDに3曲とも追加収録されている。ちなみに僕のは勿論リイシュー盤、とほほ。

Busy

Busy

89年Shredderからリリースの2nd EP
A面はUnfunにも収録されたBusy、イーストベイらしい野暮ったさの漂うパワフルなポップパンクで、
別段速い曲ではないが、小気味の良いリズム隊とギラギラしたメロディアスなギターにBlakeの絶妙なラフボーカルが
合わさった疾走感あふれる名曲。B面のEqualizedはスタジオ、エンジニアがBusyと違うせいか音の志向が若干異なり、
ギターのキンキンとしたメタリックなサウンドが特徴的なこちらもイーストベイ/ラフポップパンクの佳曲である。

プレス時期によってスリーブの色が異なるらしいが詳細不明、初回プレスは画像の緑スリーブに黒/緑ヴァイナルで、
僕のは1stプレスの緑スリーブですが普通の黒ヴァイナルでした、どうも限定の赤ヴァイナルがレアらしい。
後にBusyはUnfunに、EqualizedはEtcにそれぞれ収録された。

Unfun

Unfun

Shredder Recordsから90年リリースの1stフルレングス。
このアルバムでは、後期とはまるで印象の違うラフなポップパンクをプレイしています。
また、それに合わせてかBlakeの声もしゃがれまくりだし、歌いまわしもかなり荒っぽい。

WantやDownなど、この頃の最もイーストベイらしい野暮ったくもエネルギッシュなサウンドが実にカッコイイ!
中期〜後期の音とはまるで異なるものの、キャッチーでパワフルなサウンドは全作品の中でも、
かなりとっつきやすく、Jawbreakerを聴き始めるのにはベストかもしれないですね、大名盤!
2007年、自身のレーベルBlackBallからリイシューされた模様。

Hardcore Breakout USA [V.A]

Hardcore Breakout USA

New Red Archivesから91年リリースのV.AコンピレーションCD。
JawbreakerはPartyのカバーRichで参加、哀愁あふれるラフメロディックなサウンドと、
まだ荒々しいBlakeのボーカルが印象的なJawbreakerらしいカバーになっています。

また、Richは2002年リリースのETCにも収録されている。

Chesterfield King

Chesterfield King

Tupelo/Communion Recordsより92年リリースの12inch EP
ミドルテンポながら、哀愁あふれるメロディとしゃがれたBlakeのボーカルが素晴らしい名曲
Chesterfield Kingを表題曲とする全5曲、後にCDのBivouacにも曲順はバラバラだが全て収録された。

個人的にはJawbreakerのリリースの中でBivouac以上に好きだし、重要だと思う作品。
オリジナル3曲(C.King、Tour Song、Face Down)は1stの延長線上にしたラフメロディックパンクの佳曲ですし、
疾走感あるラストのカバー2曲(You Don't Know...、Pack It Up)の流れも実に見事です、名盤ですな。

Bivouac

Bivouac

Tupelo/Communion Recordsより92年リリースの2nd
サウンドに明確な変化が現れる1stと3rdのちょうど中間的な内容になる本作。
繊細になったメロディと、この頃の独特なボーカルがどっちつかずとも取れるが、
どこか影のある過渡期Jawbreakerの実験的なサウンドもまた味わい深い。
中でもDonatelloはUnfun頃の激しさを新しい形へと昇華させた大名曲です。

CDは名盤Chesterfield Kingの5曲も合わせた全13曲、そのため曲順もLPとCDで大きく異なり、
全体の印象もかなり違う、渋みあるミドルテンポナンバーの名曲Chesterfield KingはLPにも収録。

Jawbreaker/Samiam [Split]

Jawbreaker/Samiam

92年No Ideaからリリースのスプリット7Inch
お相手はイーストベイのメロディックパンクバンドSamiam
Jawbreakerサイドはそのままずばりの曲名Splitを収録、これ実は1stEPより以前の曲らしく、
荒々しく悩ましいノイジーなサウンドが特徴的です、そんでこれもETCに収録されてますな。

ちなみに僕の所有している物は黒Vinylで、更にNo IdeaのFanzineが(に)バンドルされていたんですが、
詳細が実は良く分かりません、Fanzineのオマケにしては立派すぎる気がするんですが実際の所どうなんでしょう?

Music For The Proletariat [V.A]

Music For The Proletariat

Allied Recordingsから93年リリースのV.A CD
Jawbreakerは名曲Kiss The Bottleを収録しています。
この辺からいわゆるエモっぽい音になります、ノイジーでありながらもメロディアスなギターに、
初期より幾分かサラっと歌うようになったボーカルが乗っかってホントにカッコいい!

で、これもやっぱりETCに収録されていますね。

24 Hour Revenge Therapy

24 Hour Revenge Therapy

Tupelo/Communion Recordsより94年リリースの3rd
最高傑作の呼び声も高い名盤、本作で聴ける哀愁溢れるメロディックパンクこそ、
現在Jawbreaker系と言われるジャンルそのものと言えるでしょう。

1stの頃とはガラリと変えた繊細な演奏とボーカルスタイルがまた素晴らしい。
スピーディに感傷的な詞を歌い上げるDo You Still Hate Meや Ashtray Monumentが個人的にはお気に入り。

Dear You

Dear You

メジャーのDGCに移籍してから、95年にリリースされた4th
ラストアルバムとなる本作は3rdの延長線上にして、よりメロディーを重視した作りが印象的。
全体的にパンクっぽさはかなり薄れ、エモーショナルなロックという感じに変化した為、
初期からのファンなどは特に評価が分かれてしまったようだが、クオリティ自体は非常に高い。

Oyster、Sluttering (May 4th)、Firemanなど、本作独特のメロディアスな楽曲はアルバムの目玉といえるだろう。
長らく廃盤だったが2004年に自身のレーベルBlackBallよりCD、LP2枚組でリイシュー、これにはDear Youと同時期に
レコーディングされた未発表曲(内4曲はETCにも収録)5曲が追加された、中でも捻くれた歌詞が特徴の名曲Shirtは必聴!

Live 4/30/96 [Live]

Live 4/30/96

解散後の1999年、自身らのレーベルBlackBallからリリースされたライブ盤
解散直前のライブの模様をおさめたCD、中には当時スタジオ録音は未発表だった名曲Shirtや、
現在もこの音源でしか聴けないGemini、For Esmeといったレアなものも含まれているので外せないだろう。
選曲自体はWant、Do You Still Hate Me?のようなポピュラーな物が少なく、なかなかマニアックな傾向にあり、
後期のストイックなJawbreakerらしくて僕は好きだが、ベスト的な内容を求めるとイマイチかもしれませんね。

余談ですが、Allied Recordingsから先行してリリースされたという12Inch LP盤は出回った数が非常に少なかった為、
現在中古価格は大高沸しており、Jawbreakerのリリースの中でも屈指のレア盤として有名。

ETC [Compilation]

ETC

2002年BlackBallからリリースされたコンピレーション
デモ音源、スプリット、V.Aなどに収録された曲を集めたコンピレーションアルバム。
24 Hour Revenge Therapyと同時期にレコーディングされた超名曲2曲(Friends Back East、First Step)や、
Dear Youと同時期に録られた4曲など未発表曲も多く、初期から後期まで満遍なく1枚で彼らの歴史を
垣間見る事ができる、またCDのアルバム4枚とこの1枚で大体Jawbreakerの既存曲はカバーできるだろう。
メンバーの曲解説付きのブックレットを含めたJawbreakerの記念碑的リリース、LPは豪華2枚組み!

中でも疾走感溢れる乾いたメロディックギターとしゃがれたBlakeのボーカルがなんとも切ない、
未発表曲First Stepは必聴の出来、確かにDo You Still Hate Meと被るけど何で発表しなかったんでしょう。

Out Of Focus Vol.1 [V.A]

Out Of Focus Vol.1

Thick Recordsから2004年にリリースされた映像コンピレーションDVD
92〜93年頃のシカゴで行われた様々なギグを、インタビュー等を交えて撮り収めた
幻のビデオシリーズ"Out of Focus Video Zine"を再編集、リマスターして再発されたDVD。

JawbreakerはCaroline、Tour SongときてラストはChesterfield kingと、中期の名曲を3曲プレイ。
ちょうど2ndリリースの頃の曲ですね、なかなかマニアックな選曲に思わずニヤリとさせられます。
Jawbreakerレベルともなるとシカゴでも人気は高く、オーディエンスがBlakeのマイクを奪って歌うし、
会場が一体になったエネルギッシュなライブを見せてくれます、ちなみに映像と音はそんなに良くないです。

Protect A Benefit for the National Association to Protect Children [V.A]

Protect A Benefit for the National Association to Protect Children

Fat Wreck Chordsから2005年リリースのV.A
Jawbreakerは新曲ではなく、5/29/93 CBGBでのライブからWantを収録。
このCBGBでの音源はBlackBall所蔵の公式の物で、ブートレグとしてもかなり有名なものですね。
ライブらしく、荒々しくスピーディになったWantを聴く事ができます、カッコイイ!

5/29/93 [Bootleg][Live]

5/29/93

前述のCBGBでのライブの模様をおさめたCD、リリース時期不明。
ソース自体は公式の物のようですが(音質は非常にクリア)
恐らく非公式に販売されてた物かと思われます、全10曲収録。
Do You Still Hate Me、Wantなど当時のベスト的選曲がされている。

一連のGilman Street Live Bootlegとも異なるようですし、公式にリリースされないかなぁ。

Notes:

Sound of the Day