The Methadones

Ex-Screeching Weasel、Riverdales、Mopes、Sludgeworthなど、
数々のバンドを渡り歩いてきたDan Schafer(Vapid)率いるメロディック/ポップパンクバンド。
お馴染みアメリカ イリノイ州はシカゴ周辺で90年代中期頃より水面下でひっそり始動し、
1999年頃より本格的に活動を開始、また途中一度Danを除いてメンバーを総入れ替えしている。

音はScreeching WeaselやRiverdalesのようなラモーンズライクなサウンドではなく、
シカゴらしい声哀愁漂う暗めのメロディを軸にスピーディなポップパンクとなっている。
またSludgeworthの頃と違って、Dan Vapidはかなり高めのトーンで歌い上げていたり、
2nd辺りのメンバーチェンジでEx-Vindictivesの早弾きギタリストMike Byrneが加入し、
ギターがグーンとメロディックかつ、過度にキャンキャン鳴らすようになったのも特徴だ。

Ill at Ease

Ill at Ease

A-F Recordsより2001年リリースの1stフルレングス
これが一番Sludgeworth(非ファンク)の音に近いかな。速すぎず、遅すぎずの絶妙なスピードで、
ちょっとシリアスな影のあるポップパンクを聴かせてくれる、なかなか手堅い佳作です。
往年のシカゴパンクを思わせる男臭い渋めの味付けがなされているのもこの作品の特徴で、
単なるポップパンクバンドには終わらない、Dan Vapidの懐の深さを感じさせる。

ちなみに録音はお馴染みSonic Iguana、エンジニアとしてMass Giorginiも参加しています。

Career Objective

Career Objective

Thick Recordsから2003年にリリースの2nd
1stに比べて音がぐーんとメロディアスに、そして速くなった2nd。
今回のアルバムも前作同様、全曲Dan Vapid作曲によるものですが一体何があったのか、
まぁ恐らくはギタリストMike Byrne加入によるものでしょう、所々で彼が早弾きを炸裂させます。

Ex-VindictivesのスーパーギタリストMike Byrneが大暴れするI'm About To Crack、
Lookout的なストレートポップパンクナンバーSay Goodbye To Your Generation、
打って変わって暗めの落ち着いたメロディックパンクナンバーAntidoteなどを収録。
方向性はかなり変化したが、今作もDan Vapidのソングライティングが冴え渡る快作だ。
ちなみにCDはエンハンスド仕様で、Say Goodbye To Your Generationのビデオが収録されています。

Not Economically Viable

Not Economically Viable

Thick Recordsから2004年リリースの3rd
今作は2ndの延長線上にスピーディなポップパンクをプレイしている。
Mikeのギターが暴れるMess We Made、伸びやかなコーラスが心地よいLess Than Zero、
そして、切なげなメロディに透き通るようなコーラスが素晴らしい大名曲Million Milesを収録だ。

基本はハイトーンなボーカルを勢いの良いポップなメロディに乗せた青臭いサウンドで今作もなかなかの出来。
曲としては群を抜いてMillion Milesが最高だね、正直あんまり彼らっぽくないんだけど、キラキラした素敵な曲です。

21st Century Power Pop Riot

21st Century Power Pop Riot

2006年Red Scareからリリースのカバーアルバム
21世紀パワーポップ暴動というわけで、コステロ、パティスミス、ジャグスなどの、
往年のパワーポップの名曲を全12曲、若干のパンク色を加えてカバーした好盤。
またメロディック/ガールズパンクバンドThe SoviettesのAnnieとDillinger4のPaddyが、
ゲストボーカルとして1曲ずつ参加しているようですね。

基本的に原曲に沿った作りで、どの曲もあまり強いアレンジはされていない。
「なぜMethadonesが?」という感もあるが、これが意外にしっくりくるんだから。

This Won't Hurt...

This Won't Hurt

2007年Red Scareからリリースの4th
これまでより大分大人しくなった印象のアルバムですね、過度な早弾きもしなくなりました。
Alcohol makes the world go around、Getting Older Losing touch、Poor Little Rich Girl等を筆頭に、
哀愁を帯びた落ち着いたポップパンクを聴かせてくれます、中にはどちらかと言うとパワーポップって曲もあり、
そう考えると昨年に出たカバーアルバムが前兆だったのかなとも、しかしコロコロ音を変えるバンドだなぁ。

"これはこれで"とも言えますが、2ndのスピーディなポップパンクを期待するとイマイチかも、
21st Century Powerpop Riotが受け入れられた人なら問題なくイケるかと思います。

The Methadones/The Copyrights [Split]

The Methadones/The Copyrights

自身らのレーベルTransparent Recordsから2008年リリースのSplit CD
お相手はレーベル共同運営者のシカゴラジカルポップパンクバンドThe Copyrights、
Methadonesはアップテンポな1曲目Imperfect Worldを筆頭として、4th延長線上の(過度な早弾きのない)
パワーポップパンクサウンドを全部で6曲聴かせてくれる、しかしDan Vapidの引き出しの多さには驚かされるな。

Copyrights側も6曲収録の全12曲、なかなかレベルの高いスプリットですな、レーベル第一弾リリース!

Notes:

Sound of the Day