1991年結成のガールズポップパンク/パワーポップバンド。
当初はEx-PandorasのKim(無愛想)とMelanieの女性2人を中心として売り出していたようですが、
1stリリース後にサクっとMelanieが脱退していなくなり以降はKimを中心とした3ピースになる。
また2000年頃ドラムのRoyが一時的に抜け活動休止していましたが、2004年にReally Really Happyで復活。
Fastbacksと並ぶUSガールズパワーポップバンドですが最大の相違点は、
やはりこっちのKimの男らしいボーカルでしょう、比較的低めのトーンで歌ったり、
高頻度で飛ばすシャウトがもう堪らないですねぇ。
1993年ワーナーからリリースの1st、ジャケット見ると4人ですが、この中で次に残ったのは結局2人。
そんなバンド内のゴタゴタなどなんのその、1曲目からMuffsの代表曲Lucky Guyときて、
ポップでキャッチーなサウンドにうっとり、そしてKim嬢のシャウトも最初から飛ばしてますよー。
しかも、この頃のMuffsは女性2人のツインボーカル体制となっており、これがまたキュート!
既にKimのポップセンスが輝く、切なくて甘酸っぱいパワーポップの傑作ですな、名曲From Your Girl収録。
やっぱりなによりこれでしょう!95年リリースの2nd
このアルバムの曲はラジオなんかでも偶にかかりますし知ってる人も比較的多いかと思います。
そしてメンバーもここで現在のKim、Ronnie、Royのおなじみ3ピースになりましたね。
切ないメロディーとKim嬢のパワフルなボーカル、全体的にロック色が濃くなったのも素晴らしいですねぇ。
後半はどうもパワーが落ちてしまいますが、冒頭のAgonyからRed Eyed Trolまでの6曲なんてもう最高!
どこか切ないんだけど元気になれるメロディーがもう堪らないですよ、ハイ。
1997年Look OutからリリースのV.Aコンピレーション
総勢22のバンドが仕掛け人Joe Kingの下、集結した豪華2枚組12InchLP
Muffsはコステロカバーの"No Action"を提供、いやに小気味のいいポコポコドラミングが印象的なナイスカバー。
この曲は2000年くらいにリリースされたコンピレーション Hamburgerにも収録されていますね。
ワーナーからFat傘下のHonest Don'sへ移籍して1999年リリースの4th
ミドルテンポな曲が多くなり、これまでの作品に比べると、よりギターポップ的な音にシフトしています。
恐ろしく魅力的だったKimのシャウトは影を潜め(今作ではBlow Your Mindくらい)、1st〜2ndのような勢いこそ無くなったものの、
丁寧な心地よいリズム/グルーヴ、よく練られた飾らない素朴なギターのメロディによる絶妙なパワーポップを聴かせてくれます。
相変わらずKimのポップセンスは素晴らしいのですが、ポップパンク的なテイストは完璧に抜け、
かなり地味なアルバム、そのせいかセールスもあまりよくなく結果として件の活動停止にも繋がったそうな。
Alert Today Alive Tomorrow辺りまで(2000年)のB面やデモ音源などを収めたコンピレーション
あくまでレアトラック集ですが、内容は一応ベストアルバムに近い感覚で聴けるかと思います。
本作の聴き所は何と言っても原曲愛に溢れたカバー曲群でしょう(Kids in Americaなど)
マニアックすぎて入門には厳しい内容ですが、他のアルバムを聴いて気に入ったらこちらもと言う感じで。
Subterfugeから2004年リリースの5thフルレングス、Roy復帰で活動再開。
ポップパンク寄りなパワーポップにまた少し方向性を若干修正しつつ、前作の延長線上となるサウンド。
4th同様にミドルテンポの曲が大半ですが、軽快なガレージ風のギターアレンジは比べ物にならないほどに爽快。
ボーカルは咆哮とも言うべきシャウトはせずともパワフルに、相変わらず前には出過ぎず、最高の仕事をするリズム隊。
切なげなギターソロが印象的なA Little Luxury、ひょうきんなギターロックナンバーDon't Pick On Me等を含む全17曲、
復活したMuffsの健在を示すパワーポップ/ギターポップの名盤です。
最後に忘れてはいけないのが、Kimのセルフエンジニアリング(とマスタリングのBrad Vance at Red Mastering)
これが小細工なしでそれぞれのパートの音をしっかりと聴き手に伝える、Muffs史上最高の仕上がりなんだから、
まったくもって頭が下がるのである、最初から手前でやってれば良かったのにって。