The Pavers

Ex-ALL,Goodbye HarryのScott Reynolds率いるバッファローのパンクバンド。
Goodbye Harry解散後の98年に結成、2004年には来日を果たすも、翌年に活動停止(解散)。

サウンドはALL〜Goodbye HarryでのScottのそれに非常に近く、キャッチーでメロディアスな
ポップ/メロディックパンクを中心として、様々な音楽のテイストを盛り込んだ独特なもの。
これまでのキャリアを消化したScottワールドの集大成とも言って良いだろう。

Local 1500

Local 1500

Owned & Operated Recordingsから99年リリースの1st
1曲目No Laughingの爽やかなALLライクポップパンクナンバーからもう堪りません!
以降もCruzライクなグルグルドライビング"ツイン"ギターによるへそ曲がりポップナンバーの目白押し。

Goodbye Harryの頃とは違う、疾走感溢れるドライビングなサウンドがカッコいい!
正直、Scottがこんなにスピーディなメロディックパンクを書くなんて意外なんですが、これがまた良いんだなぁ。
Scottの捻り出す様に歌うボーカルと切なげなツインギターが堪らない名曲Bleach収録、信者感涙の傑作アルバムです。

Beautiful

Beautiful

Bosstuneageから2002年リリースのCDEP、全6曲。
1stから音楽性が一気に変化した作品ですが、こちらもなかなか。
というかALLライクな超名曲Little Bitchが素晴らしすぎるので、他がイマイチなんだけど、
結果的に作品全体の底上げがされたって感じですかね。全体的に1st収録曲に比べて暗い曲が多く、
Scott流のハードコアソングJoan's Neighborなどの変り種は興味深いのですが、Little Bitch以外はあまり聴かなかったなぁ。

そういえばCD以外に限定のピクチャーレーベル12Inchなんかも出ていましたな、多分レア。

Wrecking Ball

Wrecking Ball

CI Recordsから2002年リリースのCDEP
Beautifulは1曲を除いてちょっと?って感じでしたが、こちらは傑作!
収録曲7曲中3曲がBeautifulと実は被ってるんですが、残りの4曲が素晴らしい。

表題曲Wrecking Ballは1stの延長線上になるドライビングなサウンドがカッコいいし、
Ramones(正確にはTom Waits)のカヴァーI Don't Wanna Grow Upも面白い。
そして初期のデモ音源でもお馴染み、本家をも凌ぐALLライクソングEmma Leeは、
Paversの中でも1.2を争う超名曲です、しかしScottの書く女の名前の曲はホントアタリが多い!
最後にラストの隠しトラックはALL時代のScottの名曲Maryのセルフカヴァーですね。
実を言うと、変に弄りすぎていて原曲の方が僕は好きなのですがこれもなかなか嬉しい。

Taco or Tambourine

Taco or Tambourine

Scott自身のレーベルRatchetから2002年リリースのCDEP
Beautifulをより難解にしたようなそのサウンドから問題作との声も多い本作。
これまでのCruz〜ALLライクサウンドはどこへやら、どちらかといえばSSTなオルタナロックへ転換。
全4曲、これまでのようなポップな曲はなく薄暗いメロディックパンクとなっている。

内容自体はそれほど悪い訳ではないのですが、これまでのファンには方向性故、ウケが悪く、
狙ったであろう層へのアピールもできなかったという感じでしょうか、信者にはあまり関係のない話ですが…
ちなみにホントに売れなかったのか、Return To the Island Of No Returnの一部プレス分に丸ごとバンドルされた。

Return To the Island of No Return

Return To the Island of No Return

Bosstuneageから2002年リリースの2nd
Taco or Tambourineに引き続きScottの難解パンクロックワールド全開の本作。
荒々しいイントロから始まって終始ダークな曲調が続く1曲目Return To The Island of No Returnから始まり、
悲壮感漂う激情ギターがカッコいいRed Suzuki、後のSteaming BeastでのScottを思わせるアコースティックナンバー
Thank You, Mr. Hollywood Fancypants、逆にアクセント程度に添えられたシンガロングなポップソングFight 15、
Fast Gatoの布石か?Greg Ginnがゲストギターとして参加した高速捻くれメロディックナンバーFierce Appleなどなど。
とにかく捻って凝りまくった新たなScottの世界が全14曲で爆発しています。

従来のALLライクサウンドを求めるファンを置いてけぼりにしている、という意見は全く持ってその通りだと僕も思うのですが、
天才Scott Reynoldsの方向性こそ違えど、変わらない抜群のソングライティングには脱帽するのみです。

Prefab Unison [Split]

Prefab Unison

Ambience Recordsから2003年リリースのスプリットCD
お相手はBack Drop Bomb、Short Circutらのメンバーによる日本のメロディックパンクバンドNoshow
Paversは2ndでの難解ワールドを改め、それまでのポップ/メロディック路線に戻って来た感じかな。
爽快感溢れるメロディックパンクの名曲Mr. Edison Take Your Medicine、つづくNeutral Guyも、
哀愁溢れるサビからギターソロへ行く辺りは、ホント涙なしには聴く事ができないこれまた名曲。

Pavers、Noshowそれぞれ4曲提供、また内3曲は未発表オリジナル、残る1曲はALL在籍時代のScottの曲のカバーという
なんとも憎い作りになっているのも信者には堪りません、往年のALLファンも、そうでない人にもオススメです。

Notes:

Sound of the Day